派遣
派遣と請負知っておきたい注意点
派遣と請負知っておきたい注意点
はじめに
派遣と請負は、どちらも企業が必要な人材確保するための方法です。
しかし、契約形態や利用目的、メリットなどに違いがあります。
それぞれ、のメリットや法律的な規制にも注意しながら、適切に運用していくことが重要です。
それぞれの特徴を確認しておきましょう。
「派遣」とは、
派遣とは企業が派遣会社と労働者派遣契約を結び、派遣会社が企業に人材を派遣する形式です。
以下では、派遣の特徴を解説していきます。
①雇用関係と指揮命令者
労働者は派遣元の会社と雇用契約を交わすので、給与の支給や社会保険の加入、福利厚生の提供などは、基本的に派遣元の会社の規則に沿って行われます。
しかし、指揮命令権は勤務先である派遣先に所在します。
②契約期間の定め
契約期間、つまり働くことのできる期間が定められています。
契約によって、1カ月や3カ月、半年などの期間が設けられ、契約期間が終了するとその派遣先での勤務は終わります。
③同一労働同一賃金
「同一労働同一賃金」と呼ばれる派遣社員の待遇の向上を目的にした施策により、派遣社員が派遣先での正社員と同等の待遇を受けられるように変化してきています。
「請負」とは、
請負とは企業が請負会社と請負契約を結び、請負会社が特定の成果物を企業に納品する形式です。
①雇用関係と指揮命令者
請負会社と雇用関係を結んでいる請負では、労働者の雇い主にあたるのは請負会社です。したがって指揮命令権は請負会社にあります。
②契約期間の定め
契約期間により終了するといった考え方はなく、報酬は「仕事の結果」つまり「成果物」に対して発生し、契約期間による区切りもありません。
労働法は適用されない
企業と請負会社が交わしているのは請負契約であり、労働契約ではありません。そのため労働者と企業に雇用関係は成立せず、勤務先企業に労働法などは適用されません。
派遣のメリットとデメリット
派遣活用のメリット
①業務効率の向上
ルーティンワークなどを派遣社員に任せることで正社員はコア業務に集中できます。また、派遣社員のスキルや知識を活用することで、業務の質やスピードも向上できます。
②必要な人材を柔軟に確保することができる
派遣では、優秀な人材や自社にマッチした人材を必要な期間雇用することができ、繁忙期や欠員補充などに柔軟に対応できます。
③労務管理の負担が軽減される
給与や社会保険などの労務管理を派遣会社が行うため、派遣先は労務負担が軽減できます。さらに、派遣会社が増えても管理の手間にさほど影響しません。
派遣活用のデメリット
①手間やコストがかかる
業務の指示・命令はもちろん、始業や就業・休憩などに関する指示、服務上の規律なども派遣先が行わなければなりません。派遣料金には、諸経費が含まれています。
本来会社負担となる各種保険料や福利厚生費、交通費、賞与、退職金等々です。割高に感じられる派遣料金ですがトータルで考えると派遣活用は、コスト削減になります。
②帰属意識や当事者意識が低くなる場合も
派遣社員は、派遣元企業から派遣されており、所属は派遣元企業です。さらに就労期間が限定されていることから、帰属意識や当事者意識が低くなる場合も考えられます。そうならないためにも、正社員と平等に扱うことを心がけ、研修などで自社についての理解を深めてもらえるように工夫することが重要です。
請負のメリットとデメリット
請負活用のメリット
①人材管理の手間が省ける
指揮命令者は請負会社にあるので、業務に関する管理業務の負担が減らせます。
②トータルで考えると、コストが安く済む
企業と労働者には、雇用関係はありません。
そのため雇用保険料や健康保険料などの保険料の支払い、福利厚生の提供も必要がありませんし、残業代も不要です。
③客観的な視点で業務を分析できる
請負では、受注者が外部の専門家であることから、発注者の業務に対して客観的な視点で分析や提案を行うことができる。
外部のノウハウや考え方を社内に取り入れることで、企業のレベルアップやイノベーションにつながる。
請負活用のデメリット
①請負先により業務の質が左右される
請負では、発注者が受注者、請負労働者に指揮命令を出せないため、成果物の質が人材のスキルや能力に左右される。
発注側が期待する成果が必ずしも得られない可能性がありますので請負会社を選定する際には、『過去の実績』や『スケジュール管理などを徹底してくれるか』などを重視するとよいでしょう。
②ノウハウや技術が会社に蓄積されない
自社社員の業務負担が軽減される一方で、長期的視点で見ると社内の人材育成や業務のノウハウが蓄積できないという側面もあります。
一時的な解決手段の一つとして請負は有効ではありますが、将来的な企業の発展や成長の観点で見るとよく吟味する必要があります。
まとめ
派遣と請負は、それぞれに長所と短所があります。
どちらがいいかはアウトソーシングを活用する目的や業務内容・予算などによって変わります。
両者の特性をきちんと把握したうえで、状況にあわせ使い分けることが大切です。
なお、料金相場や人材市場などのお問い合わせ、人材関連でお困りの企業様は、弊社の豊富な経験とノウハウを活かし、お客様のビジネスをサポートいたします。お気軽にお問い合わせください。