ジャパンクリエイト通信

「2024年問題」~物流業界の人材不足が深刻化~

2024-01-09

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2024年問題』~物流業界の人材不足が深刻化~━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲△▲


『2024年問題』とは?


2024年問題は、202441日以降、トラックドライバーの時間外労働の上限規制により発生する諸問題です。

平成306月改正の「働き方改革関連法」に基づき、自動車の運転業務の時間外労働についても、法施工(平成314月)の5年後(令和641日)より、年960時間(休日労働含まず)の上限規制が適用される。

併せて、厚生労働省がトラックドライバーの拘束時間を定めた「改善基準告示」(貨物自動車運送事業法に基づく行政処分の対象)により、拘束時間、運転時間等が強化される。



『2024年問題』の具体的な影響


運送・物流会社の売上・利益減少

運送・物流業界のビジネスモデルは、人の労働が売上に直結する「労働集約型産業」です。

そのため、ドライバーの時間外労働時間に上限が設けられることで、会社全体で行う業務量が減少し、結果的に売上も減少する可能性が高いです。


労働量の減少にともない人件費は削減できるでしょう。

しかし、オフィスの賃料や減価償却費などの固定費(売上に関係なく発生する費用)は減少しないため、売上だけでなく利益も減ってしまうおそれがあります。


ドライバーの収入減少

運送・物流会社で働くドライバーの中には、時間外労働を行っている方が少なくありません。

そのため、時間外労働時間に上限が設定されることで、従来受け取っていた時間外手当がなくなり、収入が減少するドライバーは少なからず出てくる可能性があります。


荷主が支払う運賃の上昇

上記のとおり、2024年問題によって会社やそこで働くドライバーは、売上・収入面で悪影響を受ける可能性があります。

そこで、運送・物流会社による「売上・収入の減少分を、運賃の増加でカバーしようとする動き」の活発化が想定されます。


運賃がアップすれば、売上が増加することで、会社の利益やドライバーが受け取る収入を減らさずに済む可能性が高まります。

しかし一方で、運送を依頼する荷主にとっては、物流にかけるコスト増加となってしまいます。


2024年問題に向けて運送事業者が行う取り組み


1.ドライバー不足・若年労働者不足への対応

〇ドライバーの待遇改善

〇給与体系の見直し

〇週休2日制の導入、有給休暇の取得促進

〇キャリパスの明示

〇女性、高齢者に働きやすい職場づくり


2.荷主や一般消費者への理解促進

〇荷待ち時間や手荷役作業の削減等、労働環境の改善

〇事業継続に必要な運賃料金の収受


3.法令遵守の徹底

〇事業者自ら法令遵守、安全対策の徹底


物流業界の人手不足が深刻化

物流業界の人手不足が深刻化しており、その背景には、超少子高齢化問題、非正規雇用の待遇の低さ、待遇の良い業界への転職、など様々なものがあります。

このような人手不足問題を解決するために、国は様々な施策を打ち出していますが今後人手不足は、さらに悪化していくと考えられます。

特に物流業界は、需要と供給のバランスが取れず慢性的な人手不足となるでしょう。


新型コロナウィルス感染拡大の影響により、モノやサービスの販売・購入がECを主としたインターネット上に移行しているため、さらにEC市場の規模が拡大することでしょう。


物流業界の企業が講ずべき人材不足への対策


物流システムの活用

物流システムとは、IT技術で倉庫作業や配送ルートのシミュレーションなどを人間の代わりに自動で行うシステムです。

システムを活用して業務を効率化すれば、担当者1人当たりの負担軽減につながります。

近年では、倉庫管理システムを導入している企業も増えています。

専用のリーダーを使ってピッキング作業を行えば、カウント漏れ、保存期間の把握ができ効率化、短縮化が実現します。

さらに、経験値によらず作業の品質を統一化することで、正社員以外の従業員の活用も可能になります。

派遣社員、パートやアルバイトは確保がしやすいため、人材不足の解消が可能になるでしょう。


幅広い人材の積極的な採用

人手不足の解消には、これまで労働者の中心だった層とは違う層の人材確保が欠かせません。

特に、グローバル社会が進む中で外国人労働者の採用は、物流業界において不可欠です。

一方で、採用幅を広げるということは、これまで以上に雇用環境の見直しもしなければなりません。特に外国人の採用では日本人とは異なる法の遵守が必要で、先に環境整備を進める必要があります。


労働環境の整備

人手不足対策として、従業員の労働環境を整備することは、とても重要です。

近年、一つの企業で長期間勤務するというスタイルが少なくなり、転職をすることが働く人にとって身近なことになってきています。

競合企業などの他社が働きやすい環境を整備しているのに、自社が働く環境が整備できていないと採用や社員の定着が困難となり、人手不足に陥ってしまいます。

働く環境を整備することは、従業員だけでなく、企業にとってもメリットが多いです。ぜひ、職場環境の改善に取り組んでみましょう。

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